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四国ツーリングの思い出 34 [バイクの絵]

 荷物の整理をして早めに床についた。ほろ酔いと軽い疲労感からすぐに眠りについた。夜中にふと目覚めて窓の外を眺めた。夢の中のような美しい光景が広がっていた。月夜に照らし出された穏やかな黒鉄色の大海原。温かいオレンジ色の明かりを窓から放ちながら、カタツムリのように静かに洋上を滑るフェリー。窓を開けて、幻想的なジオラマのような世界を堪能したあと、ふたたび熟睡した。
 空が白んできたので起きると時計は6時をまわっていた。
 爽やかな目覚めだった。今なら足摺岬から日の出を拝めると思ったが、宿代を踏み倒すつもりではと思われそうなので、外出は諦めた。日課の気功体操を終えてから荷物の整理をした。7時からの朝食が待ち遠しかった。食事を終えたらすぐに出発できるように宿泊代の支払いを済ませておこうと、フロントへ行ったが皆で朝食の準備をしているらしく誰もいない。
 7時になって食堂へ入ると、既にあちこちのテーブルで食事をしていた。自分の席に着くとすぐに料理が運ばれてきた。新聞販売店の親父が話しかけてきた。「どちらからです。」「北九州です。」福岡県人同士で気安かった。今日は石鎚山に行くのでハードな一日になると嬉しそうに話していた。
 食事を平らげ自分の部屋に戻って身支度を整えた。フロントに降りると今度は主人が待機していた。まだ計算が出来ていないようで、少し待たされた。「お気をつけていってらっしゃい。」「御世話になりました。」
 玄関から出ると、朝の空気が清々しい。アフリカツインに荷物を積み込み、新たな一日のスタートに胸が高鳴った。
南阿蘇.jpg

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