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子供の頃のこだわり [人物画]

別府旅行.jpg
私は幼い頃、数字の「五」にこだわっていた。銭湯でからだを洗う際は、石鹸でタオルの上に数字の「五」を立体的に形作るのが儀式だった。何らかの数を選ばねばならない時は、迷わず「5」を選んだ。それは両親と姉と弟と私の五人家族の幸せな生活がいつまでも続くことを祈ってのものだった。小学校に上がると、私は家族との死別を恐れるようになっていた。周りが寝静まっている中で、父や母がいつか死ぬのではと不安になり、布団の中で嗚咽していた。 それが心の準備になったからか、小六のときに父が病死した時、私は悲しんでも取り乱すことはなかった。葬儀のさなか、小四の弟が激しく泣いて周囲の涙を誘っていたことや、弔問客の中に私のクラスの担任の先生と学級委員の男女が来ていたこと、さらに友人代表で選ばれたと思われる悪友が、私の畏まった姿を見て笑いを堪えていたこと、など今でもよく覚えている。
 「人はいつかは死ぬ」という無常感がこの頃より私に焼きついた。
nice!(7)  コメント(2) 

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コメント 2

kawasemi

niceありがとうございました。
ブログと格闘で、かなりの時間がかかっています。
その分、運動不足になりそう。

5は、私の好きな数字です。
by kawasemi (2011-11-03 10:56) 

yuzman1953

kawasmiさん、コメントをいただき有難うございます。kawasemiさんのマメさに敬服しております。人気ブログを抱えて、大変でしょうに…。
by yuzman1953 (2011-11-16 23:58) 

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