瑠璃光寺の五重塔 [風景画]
3月7日、大雨の中、山口市の瑠璃光寺を訪ねた。去年の夏、妻と娘と一緒に日帰り旅行した折に初めて見て以来、国宝の五重塔を描きたいと思っていた。
お昼に着いたので、瑠璃光寺の門前の観光施設で瓦そば定食で腹ごしらえをして境内に入った。
傘と合羽と折りたたみ椅子を持参していたが、山門を過ぎた左手に4.5畳くらいのりっぱな東屋が建っていたので必要がなかった。この東屋がなかったら、雨風の中、左手で傘を差して座って絵を描くことは到底無理だった。
東屋の正面に池を挟んで五重塔があり、絶好のロケーションで、備え付けのベンチに座ってスケッチに取り掛かった。風が吹くと画帳が雨で濡れるのをハンカチで拭きながら、鉛筆を走らせた。
時折、雨脚が激しくなり、景色が霞むときは、手を休めるしかなかった。
山口市の観光の目玉だけにこんな天気でも訪れる人の波が絶えない。中国や韓国の団体は賑やかで、
先生に引率された学生服の一団は行儀がよかった。五重塔の前で自撮り棒で写真に納まる人が多いなか、シルバー世代の夫婦が三脚を使って記念撮影をしようとしていた。
ご主人がコンパクトカメラのタイマー設定で悩んでいたので、シャッター係りを申し出た。
下絵をほぼ書き上げたころ、雨が上がったので、五重塔の傍まで行き細部を観察した。
着彩にかかりたいところだが、帰る時間が来た。
妻が通勤に使っている車に乗ってきたので6時半に妻を迎えにいかなければならなかった。
ここでカメラを忘れていることに気づき、画像の悪いガラケーで写真を撮って片道2時間の帰路についた。